万葉集4516首を2000人以上が歌い継ぐ狂気のイベント「万葉集全20巻朗唱の会」1300年の時空を超える高岡最大の奇祭を見逃す手はありません!

高岡は奈良時代、万葉集を編纂した大伴家持が国司として滞在した万葉のふるさとです。そんな高岡には万葉集に歌われた古代の人々の心が、今でも人々の魂に受け継がれています。そんな熱い魂が存分に発揮されるのが10月にある「高岡万葉まつり」で開催される「万葉朗唱の会」。2016年は10月7、8、9日の3日間です。会場は加賀藩2代藩主・前田利長公が築いた高岡城の跡地である古城公園。水濠の上に作られた特設ステージで1首ずつ読み上げていきます。

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高岡のキング・オブ・奇祭

中秋の名月も過ぎ、深まりゆく秋の自然の様々な表情を見せるころ、高岡は最も重要なイベントを迎える時期となります。それこそが「万葉集全20巻朗唱の会」。奈良時代の歌集、万葉集4516首を全て、奈良時代の貴族の衣装に扮した2000人あまりの参加者が、リレー方式で歌い上げます。1990年(平成2年)から始まり、2016年で第27回を迎えます。
万葉集を詠む祭りは鳥取県(因幡の国)でもありますが、初めから最後まで全4516首を歌い上げるイベントは全国広しと言えどもこの高岡だけです。平城京のあった奈良でもやっていません。まさに高岡の誇るキング・オブ・奇祭です。前に高岡の三大奇祭として大仏まつり、福岡のつくりもん祭り、中田かかし祭りを紹介しましたが、別格となる万葉朗唱の会を含めて高岡三大奇祭が成立します。4つで三大奇祭というのは一見おかしいですが、京都五山における南禅寺が別格としてカウントされ全部で6寺あることを思い起こせば、決して不自然な表現ではありません。つまり、整理するとこういう事です。

京都五山

別格:南禅寺
1~5位:天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺

高岡三大奇祭

別格:万葉朗唱の会
1~3位:大仏まつり、福岡つくりもん祭り、中田かかし祭り

参加者は全員、奈良時代の貴族のコスプレ

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万葉朗唱の会の何がすごいかって、参加者が全員コスプレで奈良時代の貴族に扮することですよ。衣装はレンタルで自分の好きな色を選べて、係の人が着付けもしてくれます。きちんと衣装を着こなして古城公園の中を歩けばまるで1300年前の世界にいるかのような気分を味わうことができます。しかも毎年新作の衣装も登場、これを着るのを毎年楽しみにして出場する人も少なくありません。普段はマジメそうな高岡人のDNAに刻まれた万葉の魂がコスプレによって覚醒させられるのでしょう。

4516首をホントに全部詠む、しかも三日三晩かけて

知らない人に話すと必ずポカンとした顔をされるのですが、万葉集に収録された4516首を全部、天智天皇や額田王など貴人の歌から詠み人知らずの歌まで全部、1首ずつリレー方式で歌いついでいきます。それだけのために2000人あまりが特設ステージに集まり三日三晩かけて高らかに朗唱するのが万葉朗唱の会です。フジロックフェスティバルでも深夜にライブをやって音楽が鳴り止むことはありませんが、我が高岡も負けてはいません。さらに万葉朗唱の会は深夜でも早朝でも誰かがステージ上で歌を詠んでいます。

歌の読み方は自由!リズムやメロディーもすべて自分の好きなようにしてよい

既にお気づきかもしれませんが、1300年前の歌をどうやって詠むのかという問題があります。奈良時代に録音された音声などあるわけもないので、当時の人がどのように詠んでいたのかを再現する術はないのです。しかし、それは逆に制約が無いという意味でもあるので、「こうしなければならない」というルールは一切ありません。
そのため、百人一首のリズムで詠む人もいれば、詩吟や浪曲のようなメロディーを自分でアレンジする人、ギターで弾き語りをする人、ダンス・ビートに乗せて詠む人など、まさに魂の求めるがままです。照れくさいのか普通に音読する人もいますが、完全に振り切れてしまうほうがより自由な心で朗唱を楽しむことができます。1300年前の日本人が詩に託した想いに自分の心を重ねて、「俺の歌を聴けぇ!」くらいのテンションでステージに上がるのが正解です。ある人はスキャットマン・ジョンの曲のリズムで詠んでいたのですが、いまだに忘れることができません。

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いかがでしょうか?だんだん万葉朗唱の会に参加したくなってきませんでしたか?
参加したくなったという方は、高岡市観光協会のWEBサイトから申込用紙をダウンロードしてFAXか郵送で実行委員会事務局へ送れば誰でも自由に参加できますよ。参加はしなくても狂気の沙汰の舞台を目撃したい人は古城公園までぜひ足をお運びください。

今も昔も変わらぬ、人々の心

万葉集に収められた詩を詠んでみると、今を生きる私達も共感できる内容が多いことに気づきます。恋の歌、家族を思う歌、美しい風景に自分の心境を映す歌、遠く離れた故郷をおもう歌。1300年の時空を超えて、古の人々の想いがよみがえってくるようです。私たちの暮らすこの土地には、数え切れない人々の想いも地層のように積み重なっていて、今をいきる私達もその一部だと思えるのはなんだか嬉しいものです。

ちなみにフィナーレはコーラス隊が大伴家持が生涯で最後に読んだ歌で締めくくります。コーラスが始まると周りの観客の人たちも自然と歌い出し、大団円で幕を閉じます。

新しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重け吉事

新しい年の初めの新春のころ、今日のこの雪が降り積もるように、良い事が重ねて起きてほしい。そんな気持ちを詠んだ歌です。
いかがでしょうか?万葉朗唱の会に参加したくなって、ソワソワしてきたのではないでしょうか?ジッとしていられなくなってきたのではないでしょうか?万葉に燃える高岡が、あなたを待っています。

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